にっぽんの温泉100選ニュース

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人気温泉地ランキング~江戸時代編


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古くから人気観光スポットである日本の温泉地。
海外でも「日本に行ったら行ってみたい」コンテンツとして人気です。

平成~令和の人気温泉地ランキングをこのブログで紹介していますが、今回は一気に過去に遡り、江戸時代のランキングを紹介します。
歴史を感じながらの入浴をお楽しみください。

 明治時代のランキング記事でもご説明しているように、今回はエリア別ではありません。

みなさんの生活拠点、対象となる旅行先から遠い温泉地もありますが、歴史コンテンツ「日本温泉ランキング」としておつきあいくださいませ。

江戸時代の情報は『諸国温泉功能鑑(1851年)』からの情報となります。

現代の観光経済新聞社のランキングのようにしっかりとした組織で作られたわけではないので、”ノリ”で作られている部分もあり、ちょっと適当です笑

その番付は効能の高さを元にランク付けされている。
そのため、番付によっては温泉名の上に効能が記述されているものもある。

番付の東西は、大相撲の番付の考え方と異なり、単に東日本の温泉は東に、西日本の温泉は西に番付されている。
ただし、幕内下位の西日本の欄には東日本の温泉が一部入っている。

温泉番付は江戸、大坂など、町人文化が発達したところで町人によって作成され、その後各地の温泉地でも作成された。

この時代の番付の特徴としては、

 1 作成された場所により、温泉地の番付に変化がある
 2 誤字脱字、該当温泉地が不明のものがある。

1の理由としては、近くの温泉や自分の温泉地をひいきにしたりすることが多かったためである。
2については、当時は街道は発達していたが町人が自由に旅行することは難しく、他の旅行者の評判や既存の温泉番付を参考にして番付に反映させていた。
その結果人伝えに情報が伝えられるうちに誤字脱字や、該当不明の温泉地が発生しそれがそのまま掲載された。

出典:ウィキペディア

今回はこの番付表に基づいて、紹介します。

 

大関

上州|草津の湯 → 群馬|草津温泉

関脇

-出典:鹿の湯

野州那須の湯 → 栃木|那須温泉

小結

信州|諏訪の湯 → 長野|上諏訪温泉

ー出典:諏訪湖温泉旅館協同組合

今回の江戸ランキングと前回の明治ランキングとでは東も西もTOP3の顔ぶれは変わりません。

後述の西に比べると、東は大正、昭和、平成、令和とその後はランキングが上下していますね。
東で昨今もTOP10入りしているのは草津のみです。

前頭

湯河原温泉

豆州|湯河原の湯 → 神奈川|湯河原温泉
相州|足の湯 → 神奈川|箱根十七湯(芦ノ湯)
陸奥|嶽の湯 → 福島|岳温泉
上州|湯川尾の湯 → 群馬|伊香保温泉
仙台|成子の湯 → 宮城|鳴子温泉
最上|高湯の泉 → 山形|蔵王温泉
武州|小河内原の湯 → 東京|小河内温泉 ※ダム建設で水没

「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選2022」(旅行新聞新社)にランクインしている伊香保の「福一」はなんと創業440年。
江戸時代どころか本能寺の変の頃に生まれています。

ジンギスカン好きな私が大好きな蔵王温泉は名前がだいぶ変わっています。
多賀由から転じて高湯に、戦後の観光地ランキング・山岳部門で蔵王連峰が1位になったことをきっかけに、今の温泉地名にしたそうです(出典:ウィキペディア)。

この歴史まで知ると、そう簡単には自然を一部壊して設置する風力発電の施設は簡単には受け入れられませんよね。
今後もこういった思いを持ち続けられるのか、もしくは日本の成長ストップでそんなことを言ってられなくなるのでしょうか。

前頭(二段目)

獄温泉街 ー出典:2022 Google

津軽|嶽の湯 → 青森|嶽温泉
相州|湯元の湯 → 箱根十七湯(湯本)
豆州|小名の湯 → 静岡|伊豆長岡温泉
信州|渋湯の湯 → 長野|湯田中渋温泉郷(渋)
会津|天仁寺の湯 → 福島|東山温泉
越後|松の山の湯 → 新潟|松之山温泉
南部|恐山の湯 → 青森|恐山温泉
庄内|田川の湯 → 山形|湯田川温泉
岩城|湯元の湯 → 福島|いわき湯本温泉
米沢|赤湯の湯 → 山形|赤湯温泉
下野|中禅寺麓の湯 → 栃木|日光湯元温泉

明治版の記事で参考にした『大日本温泉一覧』のしばらく後に、中禅寺ブランドから日光ブランドに変わっています。
当時どんなマーケティング観点から名称が変わっていったんでしょうね。

前頭(三段目)

大滝温泉街 ー出典:2022 Google

秋田|大滝の湯 → 秋田|大滝温泉
陸奥|飯坂の湯 → 福島|飯坂温泉
南部|鹿角の湯 → 秋田|湯瀬温泉
相州|姥子の湯 → 神奈川|箱根十七湯(姥子)
豆州|朱善寺の湯 → 静岡|修善寺温泉
仙台|川たびの湯 → 宮城|鳴子温泉郷(川渡)
庄内|温海の湯 → 山形|あつみ温泉
津軽|温湯の泉 → 青森|黒石温泉郷(温湯)
米沢|湯沢の湯 → 山形|湯の沢温泉
豆州|権現の湯 → 静岡|伊豆山温泉
会津|熱塩の湯 → 福島|熱塩温泉
相州|木賀の湯 → 神奈川|箱根十七湯(木賀)

江戸時代の情報ながら、東前頭三段目までは温泉地が判明できています。

前頭(四段目)

塩原温泉街 ー出典:公益社団法人栃木県観光物産協会

野州|塩原の湯 → 栃木|塩原温泉
庄内|湯の浜の湯 → 山形|湯野浜温泉
津軽|板留の湯 → 青森|黒石温泉郷(板留)
信州|別所の湯 → 長野|別所温泉
越後|関の山の湯 → 新潟|関温泉
南部|台の湯 → 岩手|花巻温泉郷(台)
伊達|湯の村の湯 → 不明
最上|銀山の湯 → 山形|銀山温泉
仙台|釜崎の湯 → 宮城|鎌先温泉
会津|滝の湯 → 福島|東山温泉
米沢|谷沢の湯 → 山形|月の沢温泉 ※推測
南部|麻水の湯 → 不明

伊達、南部とも陸奥のようです。
それぞれ現・福島県、現・青森県秋田県の一部です。

 

西

大関

摂州|有馬の湯 → 兵庫|有馬

関脇

但馬|城の崎の湯 → 兵庫|城崎

小結

予州|どふごの湯 → 愛媛|道後温泉

東同様に江戸も明治もTOP3の顔ぶれは変わりません。
そして西の3強は、令和の今もTOP10入りする安定感です。

 

前頭

山中温泉

加州|山中の湯 → 石川|山中温泉
肥後|阿蘇の湯 → 熊本|阿蘇温泉郷
豊後|浜脇の湯 → 大分|別府八湯(浜脇)
肥前|温泉の湯 → 長崎|雲仙温泉
薩摩|霧島の湯 → 鹿児島|霧島温泉
豊後|別府の湯 → 大分|別府八湯(別府)
肥後|山家の湯 → 熊本|山鹿・平山(山鹿)

番付を手抜きしたかと思うくらいに、山中を除いてみんな九州です笑
とはいえ、そのどの温泉地もが今も温泉100選にランクインし続けています。

前頭、次の前頭二段目には「おいしい温泉地」がいくつもランクインして、個人的に美味しいおすすめ温泉地です。

前頭(二段目)

下呂温泉

濃州|下良の湯 → 岐阜|下呂温泉
肥後|ひな久の湯 → 熊本|日奈久温泉
能州|底倉の湯 → 石川|和倉温泉
備中|長府の湯 → 岡山|湯原温泉
薩摩|硫黄の湯 → 鹿児島|東温泉
紀州|田辺の湯 → 和歌山|白浜温泉
但馬|湯川原の湯 → 兵庫|湯村温泉
芸州|川治の湯 → 広島|湯の山温泉
紀州|大ぜちの湯 → 和歌山|椿温泉
加州|白山の杦の湯 → 石川|中宮温泉
伯州|徒見の湯 → 鳥取浜村温泉 ※因州|勝見の湯と推測

なんと表示名が全て変わっています。

前頭二段目にはホテル・旅館100選でベスト10入りしている施設がある温泉地が2箇所もランクインしています。
下呂にある「水明館」は昭和7年、和倉の「加賀屋」は明治39年の創業です。

前頭(三段目)

古里温泉 ー出典:鹿児島市

薩摩|桜島の湯 → 鹿児島|古里温泉
肥前|竹尾の湯 → 佐賀|武雄温泉
石州|川村の湯 → 不明
周防|山口の湯 → 山口|湯田温泉
肥前|うるしの湯 → 佐賀|嬉野温泉
越中|足倉の湯 → 富山|立山温泉
越後|塩沢の湯 → 新潟|えちごせきかわ温泉郷(湯沢)
相州|塔の沢の湯 → 神奈川|箱根十七湯(塔之沢)
秋田|おやすの湯 → 秋田|小安峡温泉
薩摩|関外の湯 → 鹿児島|湯川内温泉
相州|宮下の湯 → 神奈川|箱根十七湯(宮ノ下)
津軽|矢立の湯 → 青森|矢立温泉

石州は石見国(現・島根県西部)です。

前頭(四段目)

湯の瀬温泉「湯の瀬旅館」 ー出典:2022 Google

信州|湯瀬の湯 → 山形|湯の瀬温泉
相州|堂ヶ島の湯 → 神奈川|箱根十七湯(堂ヶ島)
津軽浅虫の湯 → 青森|浅虫温泉
仙台|あきうの湯 → 宮城|秋保温泉
越後|出湯の泉 → 新潟|五頭温泉郷(出湯)
最上|かみの山の湯 → 山形|かみのやま温泉
信州|浅間の湯 → 長野|浅間温泉
相州|底倉の湯 → 神奈川|箱根十七湯(底倉)
上州|東老神の湯 → 群馬|老神温泉
越後|田上の湯 → 新潟|湯田上温泉
津軽|倉立の湯 → 青森|大鰐温泉
能州|足の湯 → 不明

東にも西にも箱根十七湯が登場しています笑

秋保にある「佐勘」はホテル・旅館100選の73位。
なんとその歴史は1,000年を超えており、創業は1184年で平安時代から続いています。

能州能登国(現・石川県北部)です。

その他

行事

津軽|大鰐の湯 → 青森|大鰐温泉
紀伊|熊野本宮の湯 → 和歌山|熊野本宮温泉郷
伊豆|熱海の湯 → 静岡|熱海温泉

記事のまとめ方について

・○となっている部分は解読ができない文字です。
・検索しても確定していないと思われる温泉地は「不明」とし、一部推測される場所がコメントされている温泉地は記載しました。
ぜひ不明箇所を埋めてみたいので、情報をお持ちであれば、教えてください。
・当時の名称・表記をできるだけ反映させていますが旧字もあるため、その旨ご了承ください。
・現代の温泉地名はにっぽんの温泉100選にランクインしている場合、100選で使われている名称を採用しています(例:別府八湯)。
ランクインしていない温泉地の場合は各温泉地の観光協会等の表記にできるだけ合わせています(例:えちごせきかわ温泉郷)。

地名、温泉名の漢字を誤っている場合もありますので、お気づきになったらぜひコメントでお知らせくださいませ。

江戸時代の旅館ランキングがあったら面白そうですね。
現存していたり、ホテル・旅館100選に今も入っている施設もあるでしょうしね。

最後までおつきあいいただき、誠にありがとうございます。

 

チタン製で軽量なため、電車旅でも持ち運べます。
環境を考えてカトラリーを使い捨てにせず、洗ったり拭いたりして使いましょう。